Lecture
速弾き教則 Web Sites for Shred Guitarists by -mmelo Takeshi Murakami-
http://mmelo.com/murakami/
レクチャーとは言っても、このサイト自体が“速弾き”というマニアックな世界のサイトですので
ここでいうレクチャー(講義)もまともなものでない事は言うまでもありません。
とてもマニアックな視点のレクチャーですが、興味があればじっくり読んでみてください。
理解出来ればなかなか面白いしタメになる内容です。
練習に疲れてしまった時や、ヒマな時に読むといいでしょう。
Training 1
Training 2
Training 3
Training 4
Lecture 1
Lecture 2
Lecture 3
Lecture 4
Lecture 5
Lecture 6
Lecture 7
Lesson 1
Lesson 2
Lesson 3
Lesson 1
Lesson 2
Lesson 3
Lesson 4
Lesson 5
Lesson 6
Lesson 7
Lesson 8
Lesson 9
6.
もうワンステップ上手く弾きたい人の為に
友達とバンドを組んで、バンドスコアを手に入れ、自分のギターパートをひたすら練習して、速いフレーズも遅いフレーズも複雑なバッキングのリフも全て出来るようになった感じにまでなったのに、どうもプロ(CD)の演奏の様に上手く聴こえない。
そういう事はないだろうか?
楽譜どおりに演奏しているのに、何かが違う。
そこでどう考えるかが重要だ。
きっと、プロは高いギターを使っているからだろう、とか、良い機材を使っているからだ、とか、エフェクターを沢山持っているからに違いない、とか考えるだろう。
まあ、それも一つかもしれないが、その言葉で終わってしまってはギターの腕は上達しない。
そこでこのページでは、もうワンステップ技術の向上を目指し人を対象にアドバイスをしようと思う。
楽譜どおり(ここでいう楽譜どおりとは、TAB譜の数字の通りに指を押さえて弾くというレベルの事)に演奏出来ているのが前提となるので、TABの数字の通りに指を運べない人は、そのレベルから練習をしていく必要がある。
まず、このページで言いたい事は、TAB譜の数字の通りに左手で押さえ、その弦を正確に弾いているだけでは、プロの様には聴こえないという事だ。
しかし、それ以上何があるというのだろうか。
TAB譜の通りに演奏する以上の何が求められているのだろうか。
その答えを2つ示す。
まず、音符の通りに演奏するという事だ。
TAB譜の数字の通りに弾くという事ではない。
まず、小学校で習った音楽の音符の知識を思い出して欲しい。
そう。音符の長さだ。
ピックで弾(はじ)くタイミングだけに気をつけるのではなく、音符の長さの分だけしっかりのばすという事を心がける事なのだ。
そんな事は当たり前じゃないか、と思った人もいるだろう。
しかし、それが実はとても重要で、そして多くのアマチュアギタリストが出来ていない事なのだ。
これが様々なアマチュアバンドの演奏を見てきた結論の一つだ。
そしてこれは、アコースティックギターでのコード弾き(ストローク)にも言える事なのだ。
アコースティックギターで弾き語りをしているアマチュアギタリストの多くに見られる致命傷だ。
いわゆる“なんちゃてギタリスト”に至っては全員と言っていいくらい、この点が適当に捉えれられている。
ただコードチェンジが出来て、FやBmといったセーハコードが押さえられる様になっただけで、もう捉えた様な顔をしている。
具体的に言うと、一小節一小節の最後までしっかりストロークをしていない人が多いという事なのだ。
四分音符や八分音符といった一つ一つの音符についてというよりも、コードチェンジをする箇所、つまり小節の変わり目等によく見られる致命的な現象だ。
コードチェンジが素早く出来ない為に、コードチェンジの手前で左手を開放してしまい、例えば最後の半拍分が開放弦となってしまっているのである。
8ビートでダウンアップダウンアップを繰り返すストロークを例にとると、「↓↑↓↑↓↑↓↑」でコードチェンジが発生するとした場合、この最後の「↑」の時に、左手を離してしまっているという事なのだ。
弾いている人はそこに気づいていないケースが多く、結果、自分の演奏を録音して聴いてみて、なんとなく下手に聴こえてしまうのである。
では、ハードロックギターのソロに話を戻そう。
凄まじい速いフレーズに関しては、音符の長さは特に気にする必要は無いが、時々ある長さをもった音符、つまり四分音符や二部音符、あるいはそれ以上の長さを持った音符の場合だ。
次のフレーズにポジションチェンジをする事に一生懸命になりすぎるあまり、今鳴っている音を犠牲にしているという事なのだ。
しっかり音をのばす。
それがアコースティック同様、音楽では重要な事だ。
ギターに限った事ではない。
ヴォーカルももちろんそうだし、ベースに関しては特に重要な事だ。
ただ、ベースは左手の指先を複雑に動かすという事がギターほどでは無い事から、比較的音符の長さどおりに演奏しているプレイヤーは多い様に思える。
やはりそういう点でギターは難しいと言える。
難しいというか、注意点が多いというべきか。
楽譜を買ってきて、練習して、TAB譜の通りに指を動かしていく事が出来る様になったというだけで、友達に「あの曲出来る様になったぞ」と言いふらすのは非常に恥ずかしい。
しかもそこで練習を止めてしまうのだとしたら、非常に残念だ。
音符の長さを守り、休符でしっかり音を消す、という見落としがちな基本を忠実に出来て初めて、他人に自慢してほしい。(そもそも自慢というのはおかしいのだが)
さて、楽譜を買ってきて練習する時の注意点という事で、一つ目のアドバイスはここまでとする。
もう一つアドバイスをするという約束だった。
面倒臭いがとても重要な事なので気合を入れて説明する事にしよう。
ビブラートだ。
ヴィヴラードと表現したいところだが、面倒だし、わかりやすいのでビブラートとする。
ビブラートは楽譜にも波線マークやvib.といった記号で記載されているケースがあるが、ここで言いたいのは、記載されていない部分のビブラートだ。
楽譜を出版をする際(採譜者が仕事をする際)に、私も経験があるのだが、どこまでのビブラートを譜面に書くかが中々悩むところなのだ。
それくらいプロのミュージシャンは自然に、そしていたるところにビブラートをかけているのだ。
いや、かけまくっているのだ。
もう、無意識に音を揺らしていると言っても良い。
エフェクターのコーラスやフランジャーでも音は揺れる。
しかし、エフェクターで解決する問題ではない。
自分の指で揺らすのだ。
もちろん左手の指だ
よって、アームで揺らしたりしてもダメだ。左手の指でするビブラートとは質がまた違うからだ。
アームが必要な場面ではもちろんアームを使用すべきだが、譜面上に波線マークやvib.という記載が無い時は確実にアームは使うべきではない。
素直に左手の指でビブラートする事を強くお勧めする。
「隙あらばビブラート」くらいの気持ちで常に、いたるところで揺らそうと心がけるべきだ。
先程言った様に、もはやビブラートは、“かける”というよりも、“無意識にかかっている”というくらいになるまで定着させるべきなのだ。
どれくらいかけるか、イメージがつかめない人の為に、例を一つ挙げる。
ドレミの歌を想像してほしい。
「どーはどーなつーのーどーーれーはれもんのれーーーー・・・」というアレだ。
名曲だ。
結論から言おう。
このメロディーのうち、「ー」記号部分は全てビブラートをかけるべきなのだ。
もしこのドレミの歌のギター譜(TAB譜など)があるとすれば、きっと最後の「れーーーー」の部分にしかビブラートマークは付いていないだろう。
ひょっとするとそこにすらビブラートマークは付いていないかもしれない。
だが、この曲のメロディーをプロギタリストに演奏してもらうとすると、ほぼ間違いなく全ての「ー」の部分にビブラートをかけて演奏するだろう。
無意識にかけまくっているという事だ。
(ここでいうかけまくるというのは、激しく揺らすという意味ではない)
適度に揺らす事によってギター演奏は格段に上手く聴こえる。
ただ、調子にのっていやらしいかけかたをしてはいけない。
音の揺れを作るという事ではあるが、揺れのスピード、揺れの振幅、を適度なもの(適した波)としなければならないのだ。
ビブラートをかければかけるほど上手く聴こえるというわけではない事だけは肝に銘じておいてほしい。
このサイトを見ているからには、絶対にいやらしいビブラートをかけるギタリストにはなってほしくない。
どの様なビブラートをかけようとも、それがギタリスト個々人の個性という事なのだから、これ以上は言及しないでおこう。
アームでのビブラートと指でのビブラートの違いに関しては、言うまでもない。
原音と原音よりやや高い音とを交互にならすのが指でのビブラート。
アームはその逆なわけだ。
もちろんアームアップという事はできるが、よほどトリッキーな演奏でなければ、アームアップは使うべきではない。
ましてや、しょっちゅう必要とされるビブラートを全てアームアップで対応しようとすると、常に右手でアームを握っていなければならなくなる。
そんな馬鹿な話はない。
そもそも隙あらば音を揺らそう、というここでのポイントは左手の動きのアドバイスなのだ。
さて、話をもとに戻すと、ビブラートをかけないで音をのばすというのは、言わば、キャンパスに単色でベタ塗りをしているようなもので、アナログ的な表現力がなくなってしまう。
打ち込みによる演奏が無機質に聴こえるのはこのためだ。
ビブラートまでをも打ち込む事は出来るが、結局それは機械がアナログにかなわないという証拠にほかならない。
デジタルよりもアナログが優位にたっているというのはここでも明確なのだ。
ちなみに、画像であれ、動画であれ、打ち込みの楽曲であれ「デジタル」の目指しているところは「アナログ」なのだ。
いかにアナログに追いつけるか(正確には近づけるか)という事。
デジタルのほうが音がいいとか、デジタル画像のほうが綺麗、の様な恥ずかしい事は言わない事だ。
劣化しないことと質がいいことをごっちゃにしてはいけない。
さて、話を戻して、練習方法について少々触れておこう。
ビブラートを無意識に出来ないレベルの人が無理してビブラートをかけようとする必要はない。
TAB譜の通りに指を運んでいく事が出来て、音符の長さの分だけ音を伸ばす事が出来るようになり、十分弾きこんでからビブラートをかけていくと良いだろう。
自然にビブラートをかけられるようになれば、その次からは、きっと練習の段階からビブラートをかけている事だろう。
ビブラートも一つのアナログ的なエフェクターだと捉えると良い。
いわゆる、フランジャーやコーラスといった波系のエフェクターを手で自在にかける、という事だ。
ビブラートを極める事は、ギターを極める事だと言っても良い。(多少言い過ぎか)
ピアニストには決して出来ない技術、それがビブラートなのだ。
ギターはこの世の中で最も完成された楽器だ、と言われている事を忘れてはならない。
底知れない表現力を持つ楽器なのだ。
そしてそれは、当然、エレキギターにも言える事なのだ。
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