Lecture 速弾き教則 Web Sites for Shred Guitarists by -mmelo Takeshi Murakami-
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このではギタリストだけでなく音楽に関わる人なら誰もが知っていてほしい知識をギターという楽器を使いながら説明します。
音の周波数についての話ですので、厳密に話を進めようとすると、とても細かい話になってきます。
練習の合間ぼんやりと内容を捉えるだけでもいいでしょう。



Training 1
Training 2
Training 3
Training 4





Lecture 1
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Lecture 4
Lecture 5
Lecture 6

Lecture 7


Lesson 1
Lesson 2
Lesson 3






Lesson 1
Lesson 2
Lesson 3
Lesson 4
Lesson 5
Lesson 6
Lesson 7
Lesson 8
Lesson 9
7. 音を周波数で考える。

まず、数学的な話をしようと思う。



60という数字を考えてみよう。

この数字を基準として、仮にαと呼ぼう。

αを2倍したものは2×αで120となる。

また、αを3/2倍、つまり1.5倍したら90となる。

さらに、この90を4/3倍すると120となる。

つまり、ある数字を3/2倍して、さらに4/3倍すると、元の数字を2倍した値になるのだ。

数学を考えると、当たり前の事だ。

念のため式で書くと、



60 × 3/2 × 4/3 = 60 × 2



という事だ。

左辺も右辺も120になった。



αからそれぞれの計算により120を導き出したわけだが、

次は、その120を元にさらに同じ計算をしてみよう。

つまり、



120 × 3/2 × 4/3 = 120 × 2



である。

左辺も右辺も値は240になった。

こういった計算式をずっと書き出していくと、

120が240になり、

240が480に・・・

なります。



さて、この計算、というか式を書き出す事が何の意味を持っているのだろうか。

ここでいよいよ「音」の話と絡めてみよう。



音の高さは、周波数で表される。単位は Hz(ヘルツ) だ。

聞いた事くらいはあるだろう。

ヘルツとは、一秒間に何回か、という意味の単位である。

つまり10ヘルツというのは1秒間に10回、という意味を持つ。

さて、音の高低を表す周波数だがどの音の高さであっても、周波数を2倍にする事で1オクターブ高い音になるのだ。

逆に、音の周波数を半分にする事で、音の高さは1オクターブ低い音になる。

例えば、元の音が10ヘルツであった場合、20ヘルツの音は10ヘルツの音の1オクターブ上という事になる。

そして、40ヘルツは更に1オクターブ上、80ヘルツは更に1オクターブ上となていく。



先ほどの計算式を見てみよう。

右辺は2倍した値の計算だが、左辺はやや面倒な計算を行った。

これはいったい何か。

結論から言おう。

ある音の周波数を3/2倍すると、完全五度だけ音が高くなる。

また、ある音の周波数を4/3倍すると、完全四度だけ音が高くなる。

このように音の関係性を数学的に数式で捉えたのだ。

完全五度や完全四度という言葉の意味は解るだろうか。

面倒な解説は省略するが、要は半音7つ分が完全五度、半音5つ分が完全四度だ。

ある音から半音7つ上がり、またさらに半音5つ上がると、1オクターブ上になるという話なのだ。



ギターのフレットで表現してみよう。

例えば、5弦。

開放は「A」の音、つまり「ラ」だ。

「ラ」の音の周波数がいくつなのかは後述するが、とりあえず「ラ」を基準に考えていこう。

5弦の開放、つまり0(ゼロ)フレットの完全五度上の音は何か。

半音で7つ分上に行くという事だから、フレットで数えていくと、7フレットになる。

「ミ」の音だ。

この7フレットから更に半音で5つ上に行くと、12フレットという事になる。

ギターをやっている我々にとっては常識とも言える、12フレット。

そう。12フレットは開放弦の1オクターブ上にあたる。

周波数の話を当てはめると、開放弦の周波数の2倍が12フレットの音で、聞こえる音は1オクターブ上になるのだ。

また、開放弦の周波数の3/2倍が完全五度つまり7フレットを押さえた時の音で、

さらに7フレットの周波数の4/3倍が完全四度つまり12フレットの音なのだ。



上の式は、何を表していたかが解っただろう。

フレットを7つ進んでさらに5つ進むとどうなるか。

答えはフレット12個進んだ音になるんだよ、という事だったのだ。



もちろん、7つと5つでなくても12には行く事が出来る。

しかし、5つや7つ進む音と元の音との関係は、

3/2や4/3という具合に計算しやすい式であるという事で、これが意味するのが、共鳴しやすいという事だ。



これは数学の最小公倍数を考えてみるとわかりやすい。

90と120の最小公倍数はいくつか。

360だ。これに比べ、

90と115の最小公倍数はいくつだろうか。

2070だ。

さらに90と119の最小公倍数は・・・なんと10710となってしまう。



最小公倍数が何を意味するのかという事ではなく、和音として共鳴する為には周波数の最小公倍数が小さい数字であればあるほど、

発している音と音が共鳴しあう、つまり和音として綺麗に聞こえるという事なのだ。

「ド」という音の周波数の3/2倍は「ソ」なので、「ド」と「ソ」が和音としては美しいハーモニーを作るのだ。

ちなみに、「ド」からみた「ミ」は5/4倍であり、いわゆる「ド・ミ・ソ」の和音が比較的美しく聞こえるののが数学的にもよくわかる。

3つの音の周波数が4:5:6になっているのだから。



ちなみに、「ラ」の周波数は110や220や440や880ヘルツだ。


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